情報トピックス(2006年11月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや天文分野の最新書籍などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。

《アストロアーツ ホームページリニューアルのお知らせ》

アストロアーツでは、より天文に親しみ、楽しんでいただけるホームページを目指して、12月4日から一部リニューアルをいたします。これに伴い、情報トピックスは、アストロアーツニュースに統合となります。4日以降、すべての天文関連ニュースは、アストロアーツのトップページで個々のタイトル表示をいたします。よろしくおねがいいたします。

2006/11/29

ほうおう座流星群 出現50周年記念シンポジウム

12月1日(金)と2日(土)に、国立天文台三鷹キャンパスにおいて、「ほうおう座流星群 出現50周年記念シンポジウム」が開催される。「幻の流星群」と呼ばれていたこの流星群を実際に目撃された中村純二博士を招いての講演のほか、はやぶさ探査の成果、シュバスマン・バハマン第3彗星の観測成果など、太陽系小天体の起源と進化を解き明かすための糸口を見出すことを目的としたシンポジウムとなっている。なお、シンポジウムの日程は変更となっており、初日の12月1日(金)は、午前のセッションがなくなり、受付時刻が12時30分から開始される。

ニューホライズンズ、初めて冥王星を捉えた

冥王星探査機ニューホライズンズが、冥王星から約42億キロメートルの距離から、目的地である冥王星の姿を初めて捉え、その画像が公開された。この画像によって、ニューホライズンズに搭載された望遠撮像装置 LORRI(ローリー)が目的地を捉えていること、そしてその撮像能力が確認された。

2006/11/24

NASAの次の金星探査計画は「Vesper」

NASAのディスカバリー計画の新しいミッションの一つとして、ラテン語で金星の意味をもつ「Vesper」が選ばれた。金星探査といえば、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のVenus Expressが今年4月に金星に到着し、探査を開始している。NASAでは計画が順調に運べば、探査機「Vesper」は2015年3月に金星の周回軌道に入り、その後243日間(金星上の2日間)かけて探査を行う見通しであることを発表した。

メガスターIIと葛飾北斎が星空で共演

2006年12月15日から2007年6月30日まで東京・日本橋において、メガスターIIによる「HOKUSAI〜北斎の宇宙」が開催される。葛飾北斎と宇宙を表現するこのコンテンツのプロデュースを手がけたのは演出家の宮本亜門、声の出演はベテラン俳優の緒形拳のほか、佐藤隆太、佐藤江梨子などが担当する。(なお前売りチケットは、11月25日(土)からチケットぴあなどで発売開始される)

成功、宇宙でのティーショット

日本時間11月23日朝に予定されていた宇宙におけるティーショットがロシア人飛行士Mihail Tyuri氏によって実行された。ボールは、別の乗組員Lopez-Alegria氏によって、国際宇宙ステーション(ISS)の外のはしごにティーアップされ、続いて Tyuri氏自らがカメラをセットした後はしごを登り、Lopez-Alegria氏に足を押さえてもらいながらの片手ショットとなった。ボールの重さは、たったの3グラム。これは万が一の場合を考え、宇宙ステーションへのダメージがないように配慮されたもの。打ち放たれたボールは、今後3日間ほど地球の周りをまわり続ける見込みだ。

2006/11/20

宇宙空間でゴルフ

日本時間11月23日朝に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のロシア人飛行士Mihail Tyuri氏が、宇宙空間へ向けてゴルフボールを打つ予定であることが発表された。これは、ロシア宇宙局がカナダのトロントにある企業からの依頼を受けたもの。この宇宙ショットは、同日に予定されている5時間45分間にわたる船外活動スケジュールに含まれており、ショットの映像は、依頼主である企業の広告に使用されることになっている。

ユリシーズが3度目の太陽南極通過へ

1990年10月の打ち上げから16年が経過したESA(ヨーロッパ宇宙機関)とNASAによる太陽極軌道探査機ユリシーズが、3度目となる太陽の南極通過を目指して新たな周回を始めた。

ユリシーズのプロジェクトマネージャーであるESAのRichard Marsden氏は3回目の観測について「ユリシーズは1994年から95年にかけて極小期の太陽を観測しましたが、まもなく迎える今回の極小期と前回で根本的に違うのは、磁場が逆転している点です。」と話している。観測結果からは、惑星間空間内で宇宙線粒子がたどる経路に、変化した磁場がどのような影響を及ぼすのか、いくつかのモデルの正否が明らかにされることが期待されている。

2006/11/17

SOHLA-1(まいど号)組み上げ完成

2002年12月に「中小企業の技術力を結集して、人工衛星を打ち上げよう」と設立された東大阪宇宙開発協同組合(Astro Technology SOHLA)が、SOHLA-1(まいど号)のフライトモデルの組み上げを完了した。実際に宇宙に打ち上げられるこの機体は、12月上旬まで、クリエイション・コア東大阪内にあるJAXAのクリーンルーム内で展示され、自由に見学することができる。

プラネタリウムの未来を語る市民フォーラムを開催

名古屋市科学館では12月5日(火)に、全国プラネタリウム大会開催を記念し、市民参加のフォーラム「これからのプラネタリウム」を行う。フォーラムの内容は、プラネタリウムの特別投影とパネルディスカッション。名古屋市科学館は、2010年の名古屋開府400年に合わせて、世界一の大きさとそれにふさわしい内容を持つプラネタリウムへの建て替え計画を進めている。なお、フォーラムの定員は300名で有料、事前申し込み制(11月21日(火)必着)となっている。(詳細は以下を参照のこと)

2006/11/15

SOHO/LASCO C3の視野内で金星と木星が接近中

太陽観測衛星SOHOのLASCO/C3コロナグラフの視野内で接近中の金星と木星が捉えられた。同視野には火星も捉えられている。金星と木星の最接近は明日16日だが、地球から見て金星と木星が今回以上に接近するのは、8年後の2014年(*)となる。(*ステラナビゲータ Ver.8のシミュレーションにて)

12月24日に閉館、大阪マドカホールプラネタリウム

大阪府岸和田市のマドカホールプラネタリウムが、この12月24日で閉館となることが発表された。12月22〜24日にかけて「さようならプラネタリウム」と題して、一般公開が行われる。

2006/11/13

アレシボ天文台、VLBAが閉鎖?

アメリカ科学財団(NSF)が将来の天文分野における関連プロジェクトについて予算増加案を発表した。この発表内容には、増加の一方で、現在使用されている施設を含め、進行中のプロジェクトの終了が含まれている。犠牲となる施設としてあげられているのは、世界最大の電波望遠鏡であるプエルトリコのアレシボ天文台とNRAO(アメリカ国立電波天文台)のVLBA(超長基線電波干渉計)だ。同財団の提案によれば、外部からの資金調達が不可能な場合には、アレシボ天文台とVLBAを2011年以降に閉鎖するという。

2006/11/10

マーズ・グローバル・サーベイヤーに問題発生

NASAは、今年の11月7日に打ち上げから10周年を迎えた火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーとの通信が困難になっていることを発表した。

火星探査機の中でもっとも長い間活動を続けているマーズ・グローバル・サーベイヤーに異常があったのは、11月2日。太陽電池パネルを動かすためのコマンドがエラーとなり、その後11月3日から6日までまったく交信がなく、現在探査機はセーフモードに入っているようだ。一日も早いマーズグローバルサーベイヤーとの交信復活が望まれるが、太陽電池パネルを太陽に向けその方向を維持しているために、通常通りの地球との交信が難しくなっている。マーズ・グローバル・サーベイヤーは、当初予定の2年間の探査期間をはるかに超え、10月1日からは第4次ミッションに入ったばかりだった。

2006/11/08

すばる望遠鏡の運用再開

10月15日に起きたハワイ島北西部沖地震によって被害を受けたすばる望遠鏡の駆動性能について、修復作業が行われた結果、すばる望遠鏡が本来の精度を達成したことが発表された。一方、望遠鏡の総合的性能については、今後 3台ある副鏡と9台の観測装置を搭載し、総合的な機能を確認しながら、利用計画に従い順次運用が再開されることになっている。また、中止されていた山頂一般見学は、見学コースの安全確認が終了し、11月8日から再開となった。

2006/11/01

ハッブル宇宙望遠鏡改修ミッションを発表

NASAは、スペースシャトルによる5度目のハッブル宇宙望遠鏡の改修ミッションを実施すると発表した。改修によって、ハッブル宇宙望遠鏡の観測能力を改良するとともに、観測可能期間を2013年まで延長する計画だ。

「あかり」順調に観測を継続中

今年2月22日に打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星「あかり」は、5月から本格的な観測を開始し半年が経過した。打ち上げ直後には、2次元太陽センサーのトラブルや衛星姿勢センサーにおいて、CCDセンサーの冷却器が故障するなどの問題が発生したが、その後の代替手段で、観測は現在順調に続けられている。11月初めには、第1回目の全天観測を終了する予定で、全天70パーセントのデータ収集が完了する。

あなたの名前を小惑星帯へ送ろう

2007年6月20日に打ち上げ予定のNASAの小惑星帯探査機「Dawn」計画では、「あなたの名前を小惑星帯へ送ろう」(アストロアーツ訳)と題して、探査機に搭載されるマイクロチップに記録する氏名を11月4日までホームページ上で受付けている。

「Dawn」は、2011年に小惑星ベスタに到着、2015年にはDwarf Planet(矮惑星、アストロアーツ訳)セレスに到着する。これらの天体を探査することで、太陽系初期の様子や太陽系形成に関する重要な情報が得られることが期待されている。