太陽の1万倍、中間質量ブラックホール

【2005年4月4日 CHANDRA Press Room

ブラックホールからのX線アウトバーストが捉えられ、そのブラックホールの質量が太陽の1万倍程度である証拠が得られた。新たな分類に属するブラックホールの発見となりそうだ。

(X線と可視光によるM74の合成画像)

X線と可視光によるM74の合成画像。赤い点はX線観測、青と白は可視光観測を表す。左上方、小さな白い四角内が観測されたX線源。クリックで拡大(提供:X線: NASA/CXC/U. of Michigan/J.Liu et al.; 可視光: NOAO/AURA/NSF/T.Boroson)

ブラックホールは大きくわけて2つのタイプが知られている。太陽質量の10倍程度という恒星サイズのブラックホールと、銀河の中心に存在する太陽の数十億倍もの質量を持つ超巨大ブラックホールだ。最近では、太陽の1000倍程度の質量を持つ中間質量ブラックホールが存在するという観測結果も得られている。

今回NASAのチャンドラX線観測衛星が観測したのは、われわれから3200万光年離れたうお座の銀河M74にあるX線源だ。ここから放射されているほぼ周期的なX線から、この天体がブラックホールであることはもちろんのこと、その質量が太陽の1万倍という今回もっとも重要な結果が示された。X線の放射強度は、中性子星や恒星質量ブラックホールのものと比較して10倍から1000倍も強いものが観測されている。

このような中間質量のブラックホールの作られ方については、よくわかっていないが、2つの考え方が挙げられている。1つは、星団の中心で10個から数百個のブラックホールが合体して作られるのではないかというもの、もう1つは、大きな銀河に吸収されつつある小さな銀河の核の残骸ではないかというものである。