小惑星探査機「はやぶさ」、19日に地球スイングバイに成功

【2004年5月21日 宇宙航空研究開発機構(JAXA)プレスリリース

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2003年5月9日に打ち上げた、小惑星の探査を目的とした工学実験探査機「はやぶさ」が、19日に地球スイングバイに成功、小惑星「ITOKAWA(糸川)」へ向かう新たな楕円軌道に入った。

(はやぶさが撮影した地球(北大西洋を中心とした半球)の画像)

はやぶさが捉えた地球。スイングバイ前の18日22時(日本時間)、29万5000キロメートルの高度より撮影(提供:宇宙航空研究開発機構)

地球スイングバイとは、地球の重力を利用して、探査機の軌道の方向や速度を大きく変更する技術のことだ。「はやぶさ」は19日15時22分(日本時間)に地球に高度は約3700kmまで接近し、スイングバイによって太陽周回軌道から小惑星へ向かう軌道へと移った。イオンエンジンによる加速を地球スイングバイと組み合わせて用いるのは、構想、実施の両面で世界初の技術実証とのことで、優れたアイディアや技術の高さが裏付けられたと言えるだろう。

はやぶさは、今後1週間程度かけて詳細な軌道決定を行い、イオンエンジンの運転を再開して小惑星「ITOKAWA (糸川)」へ向けて旅を続ける。予定では2005年夏に小惑星に到着し、約88万人の名前がプリントされたターゲットマーカーを小惑星に下ろす。その後、小惑星のサンプルを採取し、2007年に再び地球へ戻ってくることになっている。成功を祈りたい。

なお、宇宙科学研究本部のサイト(http://www.isas.jaxa.jp/)では、はやぶさが地球接近時に撮影した地球や月の画像が公開されている。

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