アケルナルは大きくつぶれた形をしているようだ

【2003年6月13日 ESO Press Release

ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT干渉計による観測から、エリダヌス座の1等星アケルナルの大きさと形が測定された。観測結果によれば、アケルナルはかなりつぶれた楕円形をしているようである。

(アケルナルの形を捉えた図)

VLT干渉計で捉えたアケルナルの形状。観測点(緑と赤の点)にもっともよく一致するようにフィッティングしている。目盛りは0.001秒角刻み(提供:ESO)

観測では、楕円の長軸は短軸に比べて約1.5倍も長いことがわかった。アケルナルまでの距離145光年を考慮すると、実際の大きさは太陽の約12倍(長軸)および約7.7倍(短軸)に対応するということだ。なお、質量は太陽のおよそ6倍で、表面温度は20,000度ほどである。

これまでにもいくつかの星の大きさが測定されてきたが、これほどつぶれた形をしているものは今までなかった。つぶれた形をしているのは、アケルナルがひじょうに高速で自転しているからだと考えられる。しかし、単純なモデルではうまく説明ができないので、恒星表面からの質量減少や恒星内部に関する理論などに新たな疑問を投げかけることになりそうである。

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