ハッブルが撮影した、スプリンクラーのような形をした惑星状星雲

【2003年5月29日 ESA Hubble Information Centre

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、Henize 3-1475という惑星状星雲の写真が公開された。星雲から伸びるジェットがS字状に曲がっており、まるで水をやるスプリンクラーのように見える。

(Henize 3-1475の写真)

惑星状星雲Henize 3-1475(提供:European Space Agency, A. Riera (Universitat Politècnica de Catalunya, Spain) and P. García-Lario (European Space Agency ISO Data Centre, Spain) )

Henize 3-1475はいて座にある天体で、距離は約18,000光年である。この星雲の中心には、明るさが太陽の12,000倍、質量が3〜5倍の星が存在している。放射されているジェットの速度は時速400万kmにも達している。

宇宙で見られるジェットには、若い星から放射されるものやブラックホールからのもの、惑星状星雲に見られるものなど、規模の異なるさまざまな種類のものがあるが、その中でもこのS字状のものは珍しい形だ。研究によれば、ジェットの発生源となっている天体が1500年周期で歳差運動(コマの首振り運動)しているためにこのような形になったと考えられている。

また、ガスの流れは一定ではなく、およそ100年おきに起こっているようだ。理由についてはよくわかっていないが、中心星の磁場の周期的な活動によるものだとか、伴星との相互作用によるものだという説がある。

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