バレンタインデーに贈る「暗やみに浮かぶハート」

【2003年2月14日 Chandra Photo Album

バレンタインデーにあわせたかのような、美しいハートの形をした天体の画像が公開された。撮影したのはNASAのX線観測衛星チャンドラである。

(NGC346の画像)

NGC346の中心部(提供:NASA / CXC / U.Liege / Y.Nazé et al.)

この天体は散開星団NGC346で、南天のきょしちょう座にあり、地球からおよそ18万光年離れている。画像は、天体の中心部分に100光年にわたって広がっている800万度の高温ガスを撮影したものだ。電波から紫外線に至るまでの多波長による観測結果から、この高温ガスは数千年前に起こった超新星爆発の残骸であろうと考えられている。

画像の中央やや左上に見える明るいX線源は、HD5980という名前の若い大質量星だ。この星と連星系を成していた伴星が超新星爆発を起こし、高温ガスが広がったと考えられている。一方、HD5980が放出したガスが広がっているのではないかという説もある。HD5980は最近激しい放出をしているようすが観測されており、どちらの説が正しいのかを判断するにはさらに観測を続ける必要がありそうだ。

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