「小さな幽霊星雲」NGC6369

【2002年11月8日 STScI Press Release

毎月ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像を公開してくれる「ハッブル・ヘリテッジ」のページだが、今月は「惑星状星雲 NGC6369」の写真が追加された。

(NGC6369の写真)

惑星状星雲 NGC6369。中心にある白い点が惑星状星雲の元になった星(提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

NGC6369はへびつかい座にある惑星状星雲で、地球からの推定距離は2000光年から5000光年とやや幅がある。その見え方から、アマチュア天文家の間では「小さな幽霊星雲」という名前で知られている。

惑星状星雲は、太陽くらいの質量の星が一生を終える際に膨張して赤色巨星と呼ばれるタイプの星になり、外層部分を周りの空間へと放出することによってできる天体だ。放出されたガスが中心の星からの紫外線放射を受け、ガス中の原子が電離(原子中の電子を失うこと)していろいろな色で輝いて見えるのである。青は2階電離した(電子を2個失った)酸素原子、緑は1階電離の酸素原子、赤は1階電離の窒素原子を、それぞれ表している。

ガスは秒速25kmほどの速さで膨張しており、あと1万年くらいは膨張を続けると考えられている。その後、中心の星は冷えて白色矮星と呼ばれる天体になる。太陽も将来は同じようにガスを放出して惑星状星雲を形成すると考えられているが、それはあと50億年は先の話だろう。

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