村岡さん、新彗星をデヴィコ・スイフト彗星と同定

【2002年10月15日 アストロアーツ】

高知県高知市の村岡健治氏は、10月11日(世界時)に発見された新彗星 P/2002 T4をデヴィコ・スイフト彗星(54P)と同定した。

この彗星は7年ほどの周期を持つが、1965年の出現以来見失われたままになっていた。村岡氏はMPECに発表された P/2002 T4の軌道がデヴィコ・スイフト彗星の軌道ときわめてよく似ていることに気づいて同定を試み、見事に一致することを見出した。村岡氏が「彗星年表2002」で発表していたデヴィコ・スイフト彗星の予報軌道と今回求められた軌道との差はひじょうにわずかなものであった。村岡氏は昨年末にもテンペル・スイフト彗星(11D = テンペル・スイフト・リニア彗星 11P)を同定しており、今回の同定で、彗星や小惑星の軌道計算で活躍している村岡氏が、また1つ快挙を達成したといえるだろう。

村岡氏は東亜天文学会から発行されている彗星年表の軌道計算を手がけており、『星ナビ』に連載中の上尾ニュースの軌道計算者としても活躍中だ。

村岡氏が計算した軌道要素は以下のとおり(角度に関する要素はすべて2000.0年分点)。等級は18等級台で今後さらに暗くなっていく。なお、この彗星はデヴィコ・スイフト・ニート彗星という名前になった。

デヴィコ・スイフト・ニート彗星の軌道要素(計算:村岡健治氏)
近日点通過(T)2002年7月30.94107日
近日点距離(q)2.1449541 AU
離心率(e)0.4306941
近日点引数(ω)2.05332°
昇交点黄経(Ω)358.96612°
軌道傾斜角(i)6.08514°
元期(Epoch)2002年7月25.0日
非重力効果係数A1 = +0.4762541
A2 = -0.0354303

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