球状星団の中心に見つかった中質量ブラックホール

【2002年9月18日 STScI Press Releases

NASAのハッブル宇宙望遠鏡を用いた球状星団の観測で、その中心に中質量のブラックホールが存在していることが明らかになった。ブラックホールの進化の謎を解く手がかりとなりそうだ。

球状星団 M15(左)とアンドロメダ大銀河中の球状星団 G1(右)(提供:M15:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)、G1:NASA and Michael Rich (UCLA))

ブラックホールには、太陽の数倍程度の質量しかない「恒星質量ブラックホール」と呼ばれる小さいものと、銀河の中心にあって太陽の数百万倍とも言われる質量を持つ「超巨大ブラックホール」と呼ばれる大きいものの、2つのタイプがあることが知られていた。小さいタイプは太陽の10倍程度の星が超新星爆発を起こしたあとにできることがわかっているが、大きいタイプの形成過程ははっきりとはわかっていない。

今回観測されたのは、ペガスス座にある球状星団 M15(約3万2000光年)とアンドロメダ大銀河にある球状星団 G1(約220万光年)である。結果、M15の場合は太陽の約4000倍、G1の場合は太陽の約20000倍の質量を持つ、中質量のブラックホールが中心に存在することが明らかになった。質量は、中心の周りの星の運動を解析することによって求められたものだ。銀河中心の超巨大ブラックホールの質量は銀河全体の質量の約0.5%であるという観測結果があるが、今回の球状星団−中質量ブラックホールでも同じ関係が得られていることも興味深い。

銀河中心の超巨大ブラックホール(大きいタイプのブラックホール)は、ひょっとすると今回見つかったような中質量のブラックホールなどが合体して成長しできあがるのかもしれない。球状星団中のブラックホール探しは30年近くも行なわれ続けてきた大変な研究だったが、ハッブルのおかげでようやく成果が得られた。今後、他の球状星団のブラックホール探しがどんどん行なわれるようになるだろう。

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