天文に関する動画サイトのホームページの公開

【2002年7月26日 国立天文台天文ニュース(567)

天文学では、微弱な天体の光を蓄積するために美しい画像を得るには静止画にせざるを得ないという宿命があります。しかしながら、静止画を連続的に撮影し、それを連続的にめくることで擬似的に動画にすることができます。最近の画像処理技術の発達で、天文学に関する動画の作成はさかんになりつつあります。そのノウハウを交換しつつ、これらの成果を教育普及等に役立てようと、和歌山県美里町にあるみさと天文台の研究員が中心となって「Real?Universe(リアル ユニバース)」というグループが立ち上がり、研究者、学校の先生、公開天文台のスタッフ等が分野を超えて共同で活動を進めています。

そして、これまで作成された動画のホームページ上での公開をはじめました。ここでは天の川の様子や都会から見る夜空、海外(南半球)で撮影された美しい星空の映像などが公開されています。一晩分の星空画像を1分程度の動画にしていますので、日周運動(星が一晩かけて東から昇って西に沈む現象)の様子もわかります。また、惑星や彗星の運行(惑星や彗星が星座を作る星の中を動いていく現象)の様子を捉えた画像もあります。

このグループの広報を担当する矢動丸泰(やどうまるやすし、みさと天文台研究員)は、「天の川や流れ星などが写った星空の様々な動画を見て、その美しさを再認識する。撮影場所(環境)による影響だけでなく、地球上の緯度による星の見え方の違いを感じる。楽しみ方は人それぞれでしょう。もし、見るだけでは飽き足らなくなり、自分で撮影を試みたいと思われた方へは、撮影のヒントも掲載してあります。学校などで星の授業があっても、実際に星を観察するのが難しいのは事実です。インターネットを通じて、星空の様子を動画で体験して欲しいものです」と述べています。

また、実際に南半球の星空を撮影した小澤友彦(おざわともひこ、みさと天文台研究員)も「美しい星空をこのページで見て、たくさんの人たちが少しでも星に親しみを持って欲しい。そんな願いで作りました。是非ご覧ください。」と呼びかけています。

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