宇宙には赤いクェーサーがもっと多くありそうだ

【2002年6月5日 JPL 2002 News Releases

これまでは見つからないようにひっそりと宇宙に存在していた天体、赤いクェーサーは、実は他のタイプのクェーサーと同じくらいたくさんありふれているようだ。

(クェーサー 1004+1229の写真)

赤色クェーサー 1004+1229(提供:JPL / NASA

クェーサー(クエーサー)は、銀河の中心にあるブラックホールに周囲からガスなどが流れ落ちることによって、加熱され輝いて見えていると考えられている。一般的には、ガスが非常に高温になるためクェーサーは青色に見えるのだが、今回話題となっている赤色クェーサーは、煙のようなチリがクェーサーからの青い光を吸収してしまうために、赤く(そして暗く)見える。

赤いクェーサーは星と区別するのが難しいため、これまではなかなか見つけられなかった。今回、研究グループは赤外線や電波による掃天観測によってクェーサーを探し、それらを可視光の観測と比較した。可視光での観測ではチリの存在のために暗かったり見えなかったりする赤色クェーサーだが、赤外線なら見ることができるのだ。こうして、17個の赤色クェーサーが見つかった。この数はもっと増えることが予想されている。もっと赤いものもあるだろう。今後のさらなる観測が期待される。

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