合体銀河団中に見られる弓形の衝撃波

【2002年3月1日 Chandra Photo Album

X線衛星チャンドラが撮影した超高温の銀河団1E0657-56の画像が公開された。画像の右側に向かう弓形の衝撃波が存在することがよくわかる。

(チャンドラが撮影した銀河団1E0657-56の画像)

銀河団1E0657-56(画像提供:NASA / SAO / CXC / M. Markevitch et al.)

この銀河団はりゅうこつ座の方向にあり、銀河系から40億光年離れている。弓形の構造は小さな銀河群が1E0657-56と合体した結果としてできあがったと考えられており、銀河団がどのように成長していくのかを研究する上で重要かつ貴重な情報をもたらしてくれそうだ。

衝撃波は、小さな銀河群の7千万度のガスが1E0657-56中の1億度のガスをかき分けて、時速およそ1千万kmもの高速で進んでいって発生したようである。その速度や形から、衝突は1億5千万年前に起こったと考えられている。

1E0657-56は、知られている銀河団の中ではもっとも高温の部類に入るという点でも興味深い天体だ。今回の結果や将来の観測から、天文学者たちは、この高温は銀河団の衝突によってもたらされたものなのかどうかを調べようとしている。

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