ハッブル望遠鏡、新しいカメラを搭載予定

【2002年2月20日 STScI Press Release

1990年の打ち上げ以来、数々の発見や美しい画像を我々にもたらしてくれたハッブル望遠鏡。その望遠鏡に新しいカメラが取り付けられることになった。

(2つのカメラによる銀河団の見え方のシミュレーション画像)

従来のカメラWFPC2(左)と新しいカメラ(右)による、近くの銀河団の見え方のシミュレーション画像。(画像提供:NASA and the ACS Science Team)

今月28日に打ち上げ予定のスペースシャトル「コロンビア」によって取り付けられるカメラは「掃天観測用高性能カメラ(Advanced Camera for Surveys、以下ACS)」と名付けられている。これまでハッブル望遠鏡が主力として使ってきたカメラWFPC2(Wide Field Planetary Camera 2)と比べて、視野が2倍、解像度が2倍、そして感度は4倍ということだ。波長域は紫外線の一部から可視光線、そして近赤外線の一部までと広範囲にわたっている。

ACSを使うことによって、従来は直接観測することがほぼ不可能だった太陽系の近くの惑星を見ることができるようになるかもしれない。これまでは惑星が主星に及ぼす重力の影響で星の運動がふらつくことによって惑星の存在を推定していたのだが、その惑星をカメラで直接撮像できるかもしれないのだ。また、例えばハッブル・ディープ・フィールドとして知られている観測と同じような観測をすれば、その所要期間はおよそ10分の1にまで短縮されるとのこと。ACSは我々に「宇宙望遠鏡への期待を裏切らない」宇宙の姿をたくさん見せてくれそうである。

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