長谷田さんの天体、新星と確認される

【2002 年 1 月 29 日 VSOLJ ニュース 082・加藤 太一(京大・理)氏】

IAUC No. 7808によれば、VSOLJニュース(080)で速報された新星らしき天体は三重県鈴鹿市の中村祐二さんも、1月24.867日 (UT) の写真から 9.3等で独立発見されていました。さらに、発見前の写真にも写っていたことが関勉さん(1月19.854日UT 8.9等)、西村栄男さん(21.854日UT 8.5等、24.843UT 9.0等) から報告されています。

天体のスペクトル観測はアメリカの Doug West によって、発見が報じられた直後に行われました(vsnet-discovery-nova 29)。それによると水素の輝線と考えられる輝線が検出され、この天体が古典的な新星である可能性が高まりました。シドニー大学の Alon Retter他は同日3.9m AAT望遠鏡を用いて詳細なスペクトルを撮影し、この天体が確かに減光初期の新星であることを確認報告しました(vsnet-discovery-nova 35)。

また埼玉県の門田氏は CCD画像から新星の位置を以下のように測定しています。
17h 37m 34s.36 (J2000.0)
-16° 23' 18".4

最初の報告の位置とわずかに違いますのでご注意ください。爆発前の天体は20等より暗いものと考えられます(vsnet-alert 7110)。

発見前からすでに明るかったことやスペクトルの特徴から、この新星はあまり急速に減光しない種類の新星と思われます。明け方の空ですが、まだしばらくの間小型望遠鏡で観測可能と思われます。観測用画像や、上記画像・スペクトルは以下のページからアクセスできます。
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/hadv105.html

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