隕石から糖を発見、生命宇宙起源説を裏付ける

【2001年12月20日 NASA News

(マーチソン隕石の写真)

マーチソン隕石(写真提供:New England Meteoritical Services)

1969 年にオーストラリアに落下したマーチソン隕石を調査していた NASA の研究グループが、この隕石から抽出した物質に糖やアルコール化合物などを発見したと発表した。地球の生命の素となった物質は宇宙からやってきたという「宇宙起源説(パンスペルミア)」を裏付ける新しい結果である。

George Cooper 博士等の研究グループの発表によると、糖などの炭素化合物が数多く発見されたということだ。糖は生物のエネルギー源、たんぱく質などの構成要素、DNA や RNA の成分、など生命活動にとって必要不可欠なものである。アミノ酸など他の物質はこれまでにも隕石や彗星の成分として見つかっていたが、糖が見つかったのは初めてである。隕石からこれらの物質が見つかったことで、1960 年代に提唱された宇宙起源説――彗星や隕石が地球の生命の素を運んできたという説――がさらに注目を集めることになりそうだ。また、ひょっとしたら、隕石は火星など他の惑星にも生命の種を運んでいるかもしれない。

詳しいことは 20 日付のイギリスの科学雑誌ネイチャーを参照のこと。