カイパーベルト天体にも衛星

【2001年4月19日 国立天文台天文ニュース (433)

エッジワース・カイパーベルト天体のひとつ、1998 WW31に衛星があることがわかりました。衛星があるというのが適当なのか、あるいは連星というのがいいのか問題はありますが、とにかく二つの天体に分離して観測されたのです。便宜上ここでは衛星と呼ぶことにします。カイパーベルト天体に衛星が発見されたのは、1978年に冥王星に衛星カロンが発見されたのに続いて2例目です。

2000年12月22日および23日に、ハワイ、マウナ・ケア山の口径3.6メートル、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡による観測で、ベイユ(Veillet,C.)たちは、1998 WW31が二つの像に分離していることに気付きました。二つの天体は角度で1.3秒ほど離れ、光度差が0.4等ありました。しかし、2晩の観測からはその相対運動を認めることはできませんでした。

そこで、1年余り前の、2000年1月7日のカベラーズ(Kavelaars,J.J.)らによる観測結果を調べたところ、そこからも、二つに分離したり、長く伸びたりした4種の像が確認され、その相対位置は今回発見されたものとは違っていました。こうして、1998 WW31に衛星のあることがわかったのです。二つの天体は少なくとも4万キロメートル離れていると推定されています。こうして、1998 WW31は、冥王星に続いて、衛星をもつカイパーベルト天体になりました。現在は、その他キットピーク天文台の口径3.8メートル望遠鏡、ラ・パルマ天文台の口径2.6メートル、ノルディク望遠鏡などの観測があることがわかっていますから、衛星の軌道が完全に決められるのも、遠いことではないでしょう。

1998 WW31は、1998年11月18日に22.6等の明るさで発見されたカイパーベルト天体で、軌道長半径45.044天文単位、離心率0.089の楕円軌道で、302年の周期をもち、冥王星より遠いところで太陽の周りを公転しています。現在は赤外等級23等の明るさで、「おうし座」の西の端にいます。また、エッジワース・カイパーベルト天体は、海王星より遠くを公転している太陽系の小天体の総称です。1992年に初めて1992QB1が発見されてから、続々と発見が続き、現在400個以上が確認されています。冥王星もこの種の天体のひとつで、最大の大きさをもつものと考えられています。

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