ディスカバリー号がISSに向け出発 滞在クルー交代へ

【2001年3月9日 国際宇宙ステーションの組立フライト 5A.1 (NASDA) 】

スペースシャトル・ディスカバリー号 (STS-102/国際宇宙ステーション組み立てフライト5A.1) がアメリカ東部標準時間3月8日午前6時42分 (日本時間3月8日午後8時42分)、フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。今回のフライトは、国際宇宙ステーション (ISS) の第1次/第2次滞在クルーの交代を主目的としたもの。ISSとのドッキングは飛行3日目を予定。

第2次滞在クルーは、初の女性滞在クルーとなるNASAのスーザン・J・ヘルムズ宇宙飛行士 (Susan J. Helms) のほか、ロシア人で司令官のユーリー・V・ウサチェフ宇宙飛行士 (Yury Vladimirovich Usachev) 、NASAのジェームス・S・ヴォス宇宙飛行士(James S. Voss)の3名で構成される。

今回のフライトでは、イタリア製の多目的補給モジュール (MPLM) の1号機「レオナルド」が初めて使用される。「レオナルド」は、補給物資を積み込んだ状態でスペースシャトルの貨物室に積載して打ち上げ、いったんISSに取り付けて物資をISSへの搬入した後、再びスペースシャトルの貨物室に積載して地球に持ち帰り、将来のミッションで再度用いる。ISSとの間のハッチが縦横約1.3メートルと大きいため、大型の補給品の搬入も可能となっている。

今回「レオナルド」には、ISS実験棟「デスティニー」内に取付けるシステムラック (各国の実験装置が組み込まれている) や各種補給品が載せられている。これには、日本初のISS搭載実験装置である「中性子モニタ装置」(BBND:Bonner Ball Neutron Detector)が含まれる。この装置は、約7ヶ月間にわたり中性子の計測を行い、2001年11月に予定されているSTS-108 (UF-1) で回収される予定。

今回のフライトにより「デスティニー」に各種実験装置が組み込まれることにより、いよいよISSが軌道実験室として本格的に始動することになる。

また、今回のフライトでは、ISSにカナダ製のロボットアームを取り付けるための準備作業も行なわれる。カナダ製のロボットアームは、4月に予定されているエンデバー号 (STS-100/国際宇宙ステーション組み立てフライト6A) で取り付けられることになる。

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