宇宙探査機スターダストの推進器制御に小さな問題

【2001年2月21日 NASA Stardust Status Report (2001.02.16)

NASAの宇宙探査機「スターダスト」に、小さな問題が発生している。

スターダストは、地球との通信の維持のため、X、Y、Zの各軸の角度の誤差が4度以内となるよう、姿勢を自動的に修正するようになっている。回転を完全に止めて姿勢の修正無しで常に通信が維持できれば理想だが、それは困難で、スターダストは通常、毎秒0.02度以下の速度で回転している。そして、誤差が一定値に達すると、自動的に推進器を噴射し、回転方向を逆方向に変える。

ところがときおり、噴射により回転方向が正しく変更されたにもかかわらず、探査機の制御システムがそのことを認識できず、必要の無い余分な噴射が行なわれるケースが発生してしまうことがわかった。この問題は大きな問題ではないが、今後も続けば推進剤の残量を圧迫して将来の任務に影響を与える可能性もある。

NASAジェット推進研究所の管制チームでは、探査機からのデータを詳しく分析することにより原因の究明作業に取り組んでいる。

1999年2月に打ち上げられた「スターダスト」は、惑星間や彗星近辺の物質サンプルを回収し地球に送り届ける (=サンプルリターン) 初めての探査機。同探査機は、2004年2月初めにWild-2彗星に接近、彗星ダストの収集を行ない、2006年には再び地球に接近、サンプルの入ったカプセルを地表に送り届ける予定となっている。