探査機NEAR、小惑星エロス地表で探査活動続行へ

【2001年2月16日】

アメリカ時間2月12日昼 (日本時間13日早朝) に小惑星「エロス」への完璧に近い軟着陸に成功したNASAの小惑星探査機「NEAR-シューメーカー」について、NASAは当初2月14日までを予定していたミッション期間を10日程度延長し、地表での探査活動を行なうことを決定した。

この延長ミッションでは、小惑星「エロス」の地表や地表下の組成を調べるため、ガンマ線分光器という観測機器を用いる。ミッション管制チームは、すでにNEARに対しそのための指令を送信済み。重要な成果が得られることが期待される。

また、管制チームは、着陸時の姿勢が悪く通信がうまくいかなかった場合には、接地後に再度エンジンを噴射して探査機を少し浮かし、着陸姿勢を変えさせることも視野に入れていたが、通信がうまくいっていることからこれは見送られた。もし実施されれば、浮上中に追加の超高解像度画像が得られることも期待されていたため、少し残念な決定ではあるが、ガンマ線分光器により得られるデータの方がより重要ということなのだろう。

なお、管制チームがNEARの着陸時のデータを詳しく分析してわかったことによると、NEARの正確な接地時刻は、アメリカ東部標準時間2月12日午後03時01分52秒 (日本時間13日午前05時01分52秒)。最終降下速度は毎秒1.5メートル〜1.8メートルで、これは宇宙探査史上、最も低速での着陸であったという。また、着陸地点は、目標地点から200メートル程度離れた地点であったということだ。