宇都宮・ジョーンズ彗星の発見・速報

【2000年11月27日 国立天文台天文ニュース (395)

熊本県小国町の宇都宮章吾 (うつのみやしょうご) さんは、口径15センチ双眼鏡による眼視観測で、11月18日「ほ座」に8.5等の彗星があることに気付きました。この発見は洲本市の中野主一 (なかのしゅいち) 氏を通じて国際天文学連合 (IAU) に報告され、まもなく新彗星であることが確認されました。また、ニュージーランドのジョーンズ(Albert F. Jones)さんも11月25日に同彗星を独立に発見しました。ジョーズさんは、1946年に変光星観測中に偶然新彗星(C/1946 P1)を発見している、ベテラン変光星観測者です。

この新彗星の認識符号は C/2000 W1、通称は宇都宮・ジョーンズ彗星です。

この彗星は発見後南下してしまい観測し難い位置にいますが、年末にはまたやや見やすくなりそうです。太陽からの距離、地球からの距離も近いので、その頃には、小口径の望遠鏡や双眼鏡でも見える明るさです。国際天文学連合回報 (IAUC) による暫定的な放物線軌道と、それによる予報位置はつぎのとおりです。

近日点通過時刻 = 2000 Dec. 26.56 TT   近日点引数 =  51.52 度
昇交点黄経 =  10.81 度 (2000.0)
近日点距離     = 0.3214 AU            軌道傾斜角 = 160.16 度
日付     赤経(2000.0)赤緯   地心距離   日心距離   太陽離角   明るさ
2000     時  分      度 分         AU         AU        度       等
Nov. 27    16 37.9    -74 25.1    0.290      0.846      53.4      7.1
28    17 45.64   -69 33.3    0.303      0.825      50.1      7.1
29    18 23.11   -64 14.2    0.320      0.804      47.3      7.1
30    18 45.59   -59 08.4    0.341      0.783      45.0      7.1
Dec.  1    19 00.18   -54 29.5    0.364      0.762      43.2      7.1
2    19 10.22   -50 20.7    0.390      0.741      41.6      7.2
3    19 17.43   -46 40.9    0.418      0.720      40.3      7.2
4    19 22.75   -43 27.5    0.448      0.698      39.2      7.2
5    19 26.74   -40 37.2    0.479      0.677      38.2      7.2
6    19 29.74   -38 07.0    0.512      0.656      37.2      7.2
7    19 32.00   -35 54.0    0.545      0.634      36.3      7.2
8    19 33.65   -33 55.9    0.579      0.613      35.4      7.2
9    19 34.81   -32 10.5    0.614      0.591      34.4      7.2
10    19 35.55   -30 36.1    0.649      0.570      33.5      7.1
11    19 35.93   -29 11.3    0.685      0.549      32.5      7.1
12    19 35.98   -27 54.7    0.721      0.528      31.5      7.0

<参照>