北海道陸別町の銀河の森天文台、国際宇宙ステーションを撮影成功

【2000年8月23日 銀河の森天文台最新情報

北海道陸別町の銀河の森天文台は、国際宇宙ステーション(ISS)を大型望遠鏡で拡大追尾撮影することに成功した。

銀河の森天文台の115cm「りくり」望遠鏡がとらえたISS

この画像は8月16日18時44分ごろ、銀河の森天文台の115cm「りくり」望遠鏡(焦点距離8,800mm)によりとらえられた、ISS。カメラは、日立製カラー3CCDカメラHV-D3。このときISSは陸別町から約700km離れた地点の上空およそ400kmを通過中であり、同天文台では約3分間の撮影に成功した。

ISSは現在、アメリカ製の結合モジュール「ユニティ」、ロシア製電力モジュール「ザーリャ」、ロシア製サービスモジュール「ズベズダ」の3つのモジュールに加え、ロシア製無人補給船「プログレス」がドッキングした形状になっている。全長はおよそ40m。画像右側から、「ユニティ」「ザーリャ」「ズベズダ」「プログレス」の順。

国際宇宙ステーションへ向かう「ズベズダ」

同天文台は7月25日未明にはドッキングのためISSに向かう「ズベズダ」を撮影することにも成功している(右)。撮影日時は、7月25日午前3時3分ごろ。撮影システムは、上のISSと同じだ。

「ズベズダ」は7月12日に打ち上げられ、7月26日にISSとドッキングした。「ズベズダ」単体での撮影チャンスはそのわずか2週間の間だけだっただけに、貴重な写真といえるだろう。

日本全国の自治体の所有する望遠鏡で、人工天体の追跡ができる望遠鏡が導入されているのは、富山市天文台と銀河の森天文台だけ。ともにアメリカのコントラベス社製の望遠鏡だ。

銀河の森天文台では、この貴重なシステムを活かし、今後も宇宙開発の最前線の映像を撮影していきたいという。この秋のスペースシャトル「ディスカバリー号」(若田光一宇宙飛行士も搭乗予定)の飛行の際には、船外活動(EVA)を行なう宇宙飛行士の姿をとらえることにも挑戦したいとのことだ。

画像提供:  銀河の森天文台