太陽以外の恒星の活動をとらえた動画の制作に初成功
【2000年8月16日 SPACE.com (2000/8/15)】
イギリス・ジョドレルバンク天文台所属のPhilip Diamond氏とアメリカ・ニューメキシコ州のアメリカ電波天文台所属のAthol Kemball氏は、アメリカ科学基金(NSF)のVLBA(超長基線干渉電波望遠鏡)を用い、「TX Cam」と呼ばれる恒星の活動のようすをとらえた動画を制作することに成功した。太陽以外の恒星の活動をとらえた動画は、これが初めて。
「TX Cam」は「きりん座」の方向約1,000光年の距離にある。周期的に明るさが変化する「ミラ型変光星」として知られ、変光周期は80週間。今回制作された動画は、1周期とすこしにあたる88週間を2週間間隔でとらえたものだ。恒星から吹き出すガスのようすがよくわかる。動画制作に用いられた各画像は、ハッブル宇宙望遠鏡で観測した場合よりも500倍も分解能が高いものだ。
現在の理論によると、我々の太陽も、寿命が近づくと「TX Cam」のような「ミラ型変光星」としてふるまうようになると考えられている。
なお、VLBAはハワイからフロリダまでのアメリカ各所に設置された、計10基の25mアンテナから構成される。角分解能は1.4cmの波長域で0.0003秒にも達する。
動画は、リンク先を参照されたい。リンク先ページ右側の[images]と書かれた部分にある2つの画像のいずれかをクリックすれば、動画を見ることができる。