2014年に最初の有人火星探査?

【2000年8月14日 BBC News (2000/8/11)

アメリカ・パーデュ大学のJames Longuski教授によると、2014年は最初の有人火星探査のために最適な年だという。

Longuski教授によると、最適なのは2014年1月中の2〜3日間。この短い期間に宇宙船を打ち上げれば、万一宇宙船にトラブルがあり、火星着陸を断念せざるを得ない場合でも、地球への安全な帰還ルートが確保できるという。トラブルがあった場合、まず火星スウィングバイ(惑星の重力を利用して宇宙船の軌道変更と加速を行なう航法)により金星に向かい、さらに金星スウィングバイにより地球へ向かうというルートにより、すばやく地球に帰還することが可能であり、たとえ宇宙船の主ロケットエンジンが機能しなくなった場合でも、このルートでの帰還が可能なのだそうだ。そして、このような帰還ルートが確保できるのは、2014年の前にも後にも無いという。

NASAが1997年に行なった研究でも、2014年が有人火星探査のための候補となっている。しかし、NASAには現在、2014年に有人火星探査を行なう計画は無い。多くの専門家が、2014年に有人火星探査を行なうには、すでに準備期間が不足していると言っている。だが、2014年は有人火星飛行のためにひじょうに適していることから、NASAは再びこの年の有人火星探査を検討する必要があるかもしれない。