ILS社、1日で2回の打ち上げに成功

【2000年7月3日】

ロッキード・マーティン・スペース・システム社製アトラス・シリーズ・ロケットやロシアのプロトン・ロケットの運用を行なっているインターナショナル・ランチ・サービス(ILS)社は6月30日、1日の間に2回の打ち上げを行ない、いずれも成功した。

まず、グリニッジ標準時間30日午後0時56分(日本時間30日午後9時56分)、NASAの新世代の「追跡およびデータ中継衛星(Tracking and Data Relay Satellite; TDRS-H)」を積載したAtlas-2A型ロケットがケープ・カナベラル空軍基地から無事打ち上げられた。

これで今年のケープからのアトラス・シリーズ・ロケットの打ち上げは5回連続成功。そして、アトラス・シリーズ・ロケットの打ち上げは51回連続で成功したことになる。なお、インターナショナル・ランチ・サービス社がアトラス・シリーズ・ロケットによる商用打ち上げを開始してからは、NASA依頼の打ち上げに関しては100%の成功率を誇る。また、アトラス-2シリーズ・ロケット(2型、2A型、2AS型)に関しては、打ち上げ成功率100%。特に2A型は19回も打ち上げられながら全て成功している。

TDRS-Hは3基の次世代TDRSのうちの最初の1基。西経171度の規定の静止軌道に到達して運用が開始された後はTDRS-8と改名され、現在運用中の6基のTDRS群に加わる。なお、TDRSが無人ロケットで打ち上げられるのは今回が初めて。他のTDRSは全てスペースシャトルにより打ち上げられている。

そして、その約10時間後のグリニッジ標準時間30日午後10時8分(日本時間7月1日午前7時8分)、今度は「Sirius-1」と呼ばれるアメリカ向けのデジタル・ラジオ衛星を積載したプロトン・ロケットがカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から無事打ち上げられた。

「Sirius-1」は3基の「Sirius」のうちの最初の1基。他の2基も今後プロトン・ロケットにより打ち上げられる予定で、今年終わりにはアメリカ初のデジタル衛星ラジオ放送が開始される。音楽、ニュース、スポーツなど計100チャンネルほどから成り、月々9.95ドルで聴ける。

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