ミール、資金難で結局10月には廃棄か?

【2000年4月27日 SpaceDaily (2000/4/26)

ロシア宇宙局の重役であるYury Koptev氏が26日語ったところによると、宇宙ステーション「ミール」は少なくとも8月までは運用を続けるが、それまでに新たな資金源が得られなかった場合は、10月に廃棄されることになる。ただ、新しい交渉が進みつつあり、わずかではあるが新たな資金が得られる可能性があるという。

ミールをリースしマーケッティング面での運用を担当している国際ベンチャー・ミールコープ社は4月6日、ミールの技術面での運用を担当しているロシアのエネルギア社と、今年後半もミールの運用を続けるという契約を結んでおり、その中で新たに必要な資金を確保するという誓約を交わしている。

だが、ロシア宇宙局はミールコープ社の資金確保プラン――特に、ミールへの1週間程度の滞在できる宇宙旅行ツアーを提供するというプラン――には懐疑的だ。

ロシア宇宙局のスポークスマンであるSergei Gorbunov氏は最近こう語っている。「3,000万ドルも払って進んでミールに行きたがる人がいるかどうかは非常に疑わしい。ミールは豪華なホテルなどではないし、その生活環境はきびしいものだ。」

1986年に打ち上げられたミールは老朽化によりさまざまな技術的問題を抱えているが、エネルギア社ではあと2〜3年は運用が可能だとしている。