銀河系中心には25,000個ものブラックホールが潜む?

【2000年4月12日 Discovery.com News (2000/4/10)

オハイオ州立大学のJordi Miralda Escud氏およびその同僚のAndrew Gould氏らは、我々の銀河系の中心には25,000個にものぼるブラックホールのが潜んでいると考えている。

銀河系内で現在知られているブラックホールは6個だが、Miralda氏らは銀河系は爆発した大型恒星の残骸であるブラックホールで満たされていると考えている。そして彼らは、ブラックホールは他の小さな天体に出会うたびその運動エネルギーを少しづつ失い、徐々に軌道を保てなくなり、銀河中心へ向けて移動していくと推測している。もっとも、中心への移動速度は非常にゆっくりで、100億年という銀河系の長い一生の中で、中心から15光年以内で誕生したもののみが中心部まで到達できるという。

太陽の質量の8倍以上の質量を持つ恒星はその寿命の終わりの大爆発(超新星爆発)のときにブラックホールを形成すると考えられているが、そのような恒星は銀河系を構成する恒星の5分の1に及ぶ。そして彼らは、これまで100億年の間に銀河中心から15光年以内で発生したブラックホールを形成するような超新星爆発の数を推算した。その結果、銀河中心には現在25,000個のブラックホールが存在するはずだという推測を得た。もっともこれは、中心へ到達したブラックホールが、銀河中心に存在するであろう巨大ブラックホールに飲み込まれるにつれて、銀河中心ブラックホール群の数は減っていくということを考慮した結果だ。

彼らは、他の銀河にも同様の銀河中心ブラックホール群が存在すると考えている。

Miralda氏らは、この予測を"New Scientist"誌に発表している。

今後の課題は、このブラックホール群を実際に検出することだ。