宇宙ステーション「ミール」を見よう!

【2000年3月8日】

新宿で3月7日にとらえたミール(デジタルビデオカメラによる)

ロシアの宇宙ステーション「ミール」やその他の人工衛星などはときどき軌道を変更したりするため、正確な位置予報には最新のデータが必要であり、また、同じ日本の中でも地方によって見え方が全然違うので月刊誌などで扱うことは難しい。そんなときに便利なのがインターネットだ。中でも、Heavens-Aboveというサイトは強力だ。最新のデータに基づく各地での可視予報が星図付きで確認できるのだ。残念ながら英語ページだが、あまり英語力がなくても充分使うことができるので、ぜひ利用してみてほしい。

左は、3月7日にデジタルビデオカメラを用いて新宿でとらえた宇宙ステーション「ミール」(アストロアーツ撮影)。土星のごく近くを通過していったようすが印象的だったが、Heavens-Aboveを利用すればこういった印象的なランデブーもあらかじめ知ることができる。

さて、Heavens-Aboveの利用方法だが、まずは、Selecting from our huge databaseをクリックする。すると国の一覧が表示されるので、Japanをクリックしよう。すると、町名を聞かれるので、半角ローマ字で観測点の町名を入力し、Submitをクリックしよう。すると、町名の一覧と位置が表示される。Latitudeは緯度、Longitudeは経度だ。ここでNeighboursをクリックするとその町の近辺にある町の一覧が表示されるので、本当に探したい町かどうかが確認できるぞ。確認したら、町名をクリックしよう。これで位置の設定が完了し、メインページが表示される。

メインページが表示されたら、まずはDaily predictions for brighter satellitesをクリックしてみよう。その日見られる比較的明るい人工天体の一覧が確認できる。Next PMなどをクリックすれば検索対象時間を変更できる。

Name(名前)Mag.(明るさ)Starts(見え始め時情報)Max. Altitude(最大高度時情報)Ends(見え終わり時情報)が一覧表示される。ここで、Timeは地方時での時間、Alt.は見える高さ、Az.は見える方向だ。明るさが1.5等級より小さな明るいものなら、簡単に見ることができる。ここで各衛星の名前をクリックすれば、その衛星の一般的な情報を見ることができる。写真も見ることができるぞ。また、最大高度時の時間をクリックすれば、見え方の詳細情報を表示してくれる。

3月9日(木)夕暮れ、火星・木星・土星の直列配置の中をミールが横切る

見え方の詳細情報では、詳細星図及び全天星図に飛行経路をプロットしたものが表示される。詳細星図は、星図下の入力ボックスに数字を入力してChange chart sizeをクリックすれば星図の画像サイズを変更することができる。星図の余白部分をクリックすると、その方向にスクロールされた星図を得ることができる。また、星図の任意の点をクリックすると拡大図を得ることができる。ただ、一度拡大してしまうと再び縮小できないようなので、注意が必要だ。

以上で基本的な使い方は説明した。あとは各自で使い込んでみてほしい。ミールの他、国際宇宙ステーション(ISS)やイリジウム衛星などは明るいのでお勧めだ。

さて、このHeavens-Aboveで調べてみたところ、3月9日(木)の夕暮れに東京で火星・木星・土星の直列配置の中をミールが横切るようすが見られるようだ(右図=アストロアーツ制作)。細い月もこれに加わっており、非常に印象的な光景となるだろう。ぜひ、ご覧になってみてはいかがだろうか。観測地によって見え方がかなり変わるので、各地での見え方はぜひHeavens-Aboveにて確認してみて欲しい。また、前後5分ぐらい余裕を見て観測にあたることをお勧めする。

なお、「やはり英語ページはどうも…」という方には、横浜こども科学館の人工衛星情報もある。こちらはHeavens-Aboveほど多機能でも正確でもないが、日本語による使い方の解説があり、日本人にとって使いやすいページだ。


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