明るくなったリニア彗星(C/1998 T1)
【1999年6月24日】
1998年10月にリンカーン研究所チームにより
発見されたリニア彗星・C/1998 T1(LINEAR)が、地球に接近して明るくなっている。
6月24日現在、明け方の東南〜南天、みなみのうお座付近に位置し、地球からの距離は0.588天文単位で、明るさは9等級まで増光。近日点通過は1999年6月25日で、近日点距離は1.46812天文単位。一旦南に低くなり見にくくなるが、その後は夕方の空に現われ、日本からもしばらく観測できる。
KenIchi Kadota, Ageo survey team
June 15, 1999 02:20:08 JST (60 sec),
Ageo City, Saitama Pref., Japan
0.18-m f/5.5 reflector + CCD (MUTOH CV-16II)
発見当時、この彗星は太陽からの距離は3.642天文単位で地球からも遠く、明るさは17.6等。その後夕方の空に沈んで一旦見えなくなった。今年4月末に明け方で見えはじめたころは、14等級で報告されている。5月下旬から急に明るさを増し、6月中旬には10等級で見られるようになった。
明け方の動き(東京)
日の入り90分後の高度は、最大で16度ほどであるため、その姿をながめるには南が開けた場所での観測がのぞましい。南の空を駆け抜けるリニア彗星を追いかけてみてはいかがだろう。
夕方の動き(東京)