その後発見された新彗星

【1999年5月20日 国立天文台天文ニュース(259)】

天文ニュース(255)でカタリナ彗星の発見をお知らせしてから一ヶ月足らずの間に、たくさんの彗星が発見されています。 太陽観測宇宙天文台SOHOによる発見(2個)を別にしても、5個の新彗星が数えられます。 明るい彗星はありませんが、今回は、それらをまとめて報告いたします。

C/1999 H3(LINEAR)  リンカーン観測所チームが4月22日に「はくちょう座」に16.8等で発見。小惑星状で、近日点距離は3.50186天文単位。通称はリニア彗星です。

参照  IAUC 7151(Apr 23,1999).
IAUC 7152(Apr 25,1999).

C/1999 J2(Skiff)  ローエル天文台、ロネオス(LONEOS)観測チームのスキッフ(Skiff,B.A.)が5月13日、「りゅう座」に16.0等で発見。近日点距離が7.48613天文単位もあります。通称はスキッフ彗星です。

参照  IAUC 7165(May 13,1999).
IAUC 7171(May 18,1999).

C/1999 J3(LINEAR)  リンカーン観測所チームが5月12日「こぐま座」に18.8等で発見。見かけは小惑星状。 近日点距離は1.14768天文単位。通称はリニア彗星です。

参照  IAUC 7166(May 14,1999).
IAUC 7168(May 14,1999).

P/1999 DN3  クロアチア、ヴィスニアン観測所のコーレビック(Korlevic,K.)とジュリック(Juric,M.)により2月19日に18.7等の明るさで「おとめ座」に小惑星として発見されたものです。 その軌道から彗星の可能性が指摘され、5月13日に口径1.5メートルのカタリナ反射望遠鏡による観測でコマや尾が確認されて、彗星であることが明らかになりました。 周期9.6年の周期彗星ですが、小惑星としての認識符号がつけられています。

参照  IAUC 7167(May 14,1999).
MPEC 99j39(May 14,1999).

C/1999 J4(LINEAR)  リンカーン観測所チームが5月15日に「うしかい座」との境界付近の「ヘルクレス座」で18.2-18.8等で発見。 はじめ小惑星と報告されましたが、何人もの観測者から「彗星のようだ」との指摘があり、その後の観測でコマが認められて、彗星であることがわかりました。近日点距離は3.86165天文単位、通称はリニア彗星です。

参照  IAUC 7170(May 17,1999).
MPEC 99k06(May 17,1999).

最近発見された彗星
1999年4月から5月にかけて発見された新彗星の軌道