小惑星ディオメデスによる恒星の掩蔽の改良予報

【1999年1月20日 佐藤 勲 氏 ONM No.406】

USNOでの10月18日から1月17日までの観測によると、1月22日(金)に起こると予報されていたトロヤ群小惑星(1437)DiomedesによるHIP028410(9.08等)の掩蔽は、22h57m〜58mごろ、日本を通る可能性が非常に高いことがわかりました。名目上の掩蔽帯は、東北地方中部を通っており、北海道から九州までの各地が1σ以内にあります。

ディオメデスによる掩蔽は、一昨年11月に世界初のトロヤ群小惑星による掩蔽として観測に成功しており(「世界初のトロヤ群小惑星による恒星食の観測に成功した!」)、今回も日本で観測に成功すれば、このトロヤ群小惑星の形が非常によくわかるものと思われます。よって、全国的に観測キャンペーンを張ります。

小惑星の直径は171kmと推定され、現象が起これば、最長12秒間にわたって6.2等級の減光が起こります。恒星の位置は、赤経06h00m01.5s, 赤緯+39゚40'46"で、ぎょしゃ座にあります。

眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

掩蔽帯図掩蔽帯図
1月22日
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この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。