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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

月着陸船開発物語

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月着陸船開発物語
 

  • トーマス・J. ケリー 著、高田剛 訳
  • プレアデス出版
  • 21×14.8cm、392ページ
  • ISBN 978-4903814926
  • 価格 2700円

皆さんよくご存じのように、今年2019年はアポロ11号月面着陸から50周年の、人類史上最大のアニバーサリーである。評者は、コペルニクスの地動説450周年(500周年となる2043年までは24年なので、なんとか生き延びようともがいている)や、ガリレオの望遠鏡での天体観測400周年、ニュートンの反射望遠鏡350周年など、思い出深い時を過ごさせてもらえたが、未だに人類の月面着陸成功は、人類史上最大のことだったと認識している。それに比べたら、朝鮮戦争終結宣言など問題にならない。

ともかく「宇宙にこそ将来があるんだよ」と、本書著者ケリーの同僚技術者サニアルに呼びかけたグラマン社の上司ミュニアーの言葉(本書17ページ)こそが、歴史的名言となった。これまでは、あのアームストロング船長のあの歴史的名言「これは一人の(本書注に、アームストロング船長は(a) Manと言ったと主張しているが、地上では(a)が聞き取れなかったとある)人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」を、遙かに上回る名言だと評者は思っている。林間学校の引率教師として持参した望遠鏡での月面観測に、目に涙がにじむほど感動した評者である。忘れられない!

これまでに、月着陸船の開発に携わった技術者の視点で書かれた著書を評者は知らない。400ページ近い大書だが、絶対おすすめします!

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