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なぜ、あっさり信じてしまうのか? 科学の迷信 世界をまどわせた思い込みの真相

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なぜ、あっさり信じてしまうのか? 科学の迷信 世界をまどわせた思い込みの真相
 

  • ナショナルジオグラフィック 編
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 28.3×19.5cm、176ページ
  • ISBN 978-4863134232
  • 価格 1728円

物理や化学、古代人、人体、生物、地球を経て宇宙に関する古代から現代に至る科学的迷信を100も網羅した面白い本。読者諸氏は、春分の日に生卵が垂直に立つという実験をしたことはありませんか? やった!やった!評者もやった! では、夏至や秋分、冬至の日には? いずれも立つ。一年中いつでも立つのだ。誰でもいつでも地面に垂直に立っているではないか。春分の日だけまっすぐ立ち、他の日は斜めに立つなんてあり得ないでしょう。

また、これも誤解している人が多いのだが、季節変化が地球−太陽間の距離変化によって起こるという話、まったく現実的ではありませんね。地球が太陽に最接近(近日点通過)となるのは毎年1月初め、一番遠ざかる(遠日点通過)のが7月初めというのは、天文の年鑑類を見ている人なら誰でも知っていますよね。だが、初めて評者の講演会にお見えになった方は、ビックリするのが現実だ。

現代に至っても、天動説が当たり前で、地動説は学者ののたまうことと考えている方もおられるかもしれない。地球が太陽を周回して同じ位置に戻ってくるからこそ、毎年ほぼ決まった月日に流星群が出現する、すなわち、流星群の極大日がほぼ一定なのが地球公転の証拠になることに、皆さん気づいていましたか。未だに占星術を信じています? 宇宙空間は無重力じゃないなど、あなたが、もしこれらの常識非常識を判別できないなら、ぜひご購入ご精読ください。科学の神髄をお楽しみください。

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