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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八

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宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八
 

  • 小野雅裕 著
  • SBクリエイティブ
  • 17.2×11.4cm、274ページ
  • ISBN 978-4797388503
  • 価格 864円

本書は愛妻と愛娘ミーちゃんに捧げられた愛情に溢れた本だけではない。実は最新の宇宙開拓史を読者のために語った、読者に捧げられた本でもある。現在所属するJPLで、火星ロボットの開発に携わり、正しく宇宙開拓の最先端にいる日本人で、その広い展望を余すところ無く読者(勿論評者も含める)に語りかけてくる。

本書の趣旨は謎めいた副題にある。未だにボイジャー1号(もうじき2号も)のみが太陽系を脱出しただけで、宇宙探査と言っても未だ太陽系内のそれに留まっているが、NHKテレビの文字放送でも週に数回は、ファルコンヘビー、ニューホライズンズ、キュリオシティなどの宇宙開発関連ニュースが取り上げられる。評者などは今日の宇宙ニュースをメモすることが日課となっていたが、本書入手後ではそれどころではなくなり、本書からトピックスのメモを取りまくり、電車の中ではポストイットを貼りまくる羽目となった。

中でも126頁の塗り絵の写真には、目を見張った。と言ってもちょっと低解像度で見えにくいが、JPL 186号棟の壁面に貼られているものだが、他の本では全くお目にかかれなかったもの。史上初のデジタル画像だそうだ。その説明は125頁を参照のこと。

ともかくメモすべきことに溢れた本。お勧めします。ただし、63頁のフォン・ブラウンとサターンVの写真は、どう見てもゴダードとそのロケットの写真ではないだろうか?

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