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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

地球は本当に丸いのか? 身近に見つかる9つの証拠

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地球は本当に丸いのか? 身近に見つかる9つの証拠
 

  • 武田康男 著
  • 草思社
  • 21×14.8cm、64ページ
  • ISBN 978-4794222879
  • 価格 1296円

理化学書を多数置いている有名書店の気象学関係書棚に置かれていた新刊書。店員の方には天文書とは認識されなかったらしいが、評者はまたもや学生時代、大気差や地球の曲率は位置天文学の講座で教わった。確かに本書には潰れた太陽や、逆立ちして見える南極(著者は南極越冬隊員の経験をお持ちの理系人)での月あるいは月食の写真、つまり地球が丸いことで起こる天文現象ばかりでなく、雲や夕焼け、地球影、蜃気楼の美しい写真が満載の、解説書というより気象写真集という感が強いが、それでも本当は地球と呼ばれる惑星の理解に必要な本であるはず。店員さん、すぐ隣の棚なのだから、場所を間違えないでね。繰り返すが、本書は天文書なのだから。

評者は、水平線が曲率を持っていないかを、広く海洋を見渡すことができるハワイの海岸で、そして行き帰りの飛行機の窓から確かめたことがあった。海抜高度0mでは曲率を見いだせなかったが、高空では水平線が何となく曲がって見えた。ただし、飛行機の窓からの視野は、それを確認するには狭すぎ、ガラスも熱すぎた。そんな思い出を持っている。ともかく、本書は丸い地球に関して特化された珍しい天文書。

いつも申し上げることで恐縮だが、評者は5歳の孫娘の将来を思ってプレゼントしようと思っているが、もちろん大人の皆さんにぜひとも読んで戴きたい本でもある。

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