Location:

Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

悪霊にさいなまれる世界 「知の闇を照らす灯」としての科学 上・下

表紙写真

  • カール・セーガン 著/青木 薫 訳
  • 早川書房
  • 新書変型判、410ページ(上)・419ページ(下)
  • ISBN 978-4-15-050357-4(上)・978-4-15-050357-4(下)
  • 価格 上下間とも861円

占星術やいわゆる「トンデモ科学」の言葉が、読者の眼前にポンポンと飛び出す本だ。オーラ、テレパシー、テレキシス、ダウジング、チャネリング、ウィージャ・ボード、ダイアネティックス、サイエントロジー……。写真や図版まったくなく、文字ばかりの本である点でも、最近の科学書とは大違い。膨大な文字数に見合うだけの価値がある一冊だ。

およそ科学を理解するには、反科学についても知識武装しなければ太刀打ちできないと評者は考える。宇宙論や宇宙生物学の権威カール・セーガン博士が考察する対象は、月面に見える女性の顔、火星の人面岩の深層心理学、地球にやってきているとは現時点ではとても思えない異星人、××セラピーと称するものへの処し方、科学者の過ちなど、恐ろしく幅広い。

上巻を購入する [Amazon.co.jp]
下巻を購入する [Amazon.co.jp]