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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる

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新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる
 

  • 臼田孝 著
  • 講談社
  • 17.5×11.4cm、246ページ
  • ISBN 978-4065020562
  • 価格 1080円

読者の皆さん、来年(2019年)5月20日に画期的なことが起こるのをご存じですか? そう、パリの国際度量衡局が厳重に管理していた、腐食に耐え、摩耗にも強く、厳重に管理すれば10万年は持つといわれていた、白金イリジウム製の国際キログラム原器が変わるのです。

評者は、思い出すのが困難なほど大昔から(多分中学時代から)、フランス革命後にパリ科学学士院の測量隊がバルセロナ〜ダンケルク間の距離を測量し、北極点から赤道までの子午線実距離の一千万分の一を1kmとしたことに思いを巡らすことが多かった。評者がフランス系カトリックの小中高校を卒業し、フランス人修道士の先生と親しくお付き合いさせていただいたことや、フランス国歌ラ・マルセイエーズを3番の歌詞まで暗記していることも若干関係していたが、ともかくこの世界的事業が現在では宇宙的事業であることも、その論拠の一つである。だってそうでしょう? km・kg・アンペア・カンデラ・ケルビン・モル・秒・ジュール・ワット等は、サイエンスの基本じゃありませんか。そして、相対性理論・量子力学・そして宇宙論と、ありとあらゆることに関わる単位系の定義が、2019年にほぼ最終確定するのだ。

本書は国際度量衡委員でおられる著者による、それについての詳細な解説書である。従って、本書以外にはないといえるものですよ。ぜひご購読を!

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