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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

理系のための研究ルールガイド
上手に付き合い、戦略的に使いこなす

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理系のための研究ルールガイド 上手に付き合い、戦略的に使いこなす
 

  • 坪田一男 著
  • 講談社
  • 11.5×17cm、198ページ
  • ISBN 978-4062579209
  • 価格 929円

前世紀の終わり、シブヤにあった五島プラネタリウムで解説終了後、解説台周りに多数の方々が押し寄せ、質問が浴びせかけられた。中に時折「大きくなったら天文学者になりたいのですが」という子供達がいた。「それじゃ、まず算数(数学)と理科(物理学と化学)と英語を勉強しよう」と天文学者でない私は応えていた。でもそれがもし今なら、カッコ内に生物学と地質学・地球物理学及び工学を加える必要がある。ともかく、天文学を勉強(研究)するためには、理系に進学しなければならないことには変わりがない。

そこで本書。理系研究の先端におられる方の著書で、実に学ぶところが多い。特に近年は一人の天才が学問を発展させることが少なくなり、チームやグループで研究活動することが主流となったので、どうしてもルールをわきまえることが必要なのだ。基本ルールから始まり、研究生活・実験・論文作成・特許・研究費・学会・研究発表・マスコミ・ネット・危機管理と、各分野で具体的な例に基づいて、特に若い研究者を念頭に置かれて丁寧に説明されている本書は、実に有り難いものと思う。

対して本書評は査読ではないが、多くの一般読者の目に止まるはずなので、ある意味査読以上にシビア(シビヤ×)である。でも、プラネタリウム(天文)解説員としてお薦めできる本という基準で、これからもみなさんにシビアにご案内していきたいと思っている。

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