連星系の中に地球型系外惑星

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【2014年7月4日 NASA

3000光年彼方に、連星の一方を回る系外惑星が発見された。この系外惑星は重さが地球の2倍しかなく、主星からの距離は太陽から地球までとほぼ同じくらいだ。


連星系と惑星

太陽から土星までと同程度(約15億km)離れた2つの暗い星(イメージ図)。その一方(右)を系外惑星が回っている。クリックで拡大(提供:Cheongho Han, Chungbuk National University, Republic of Korea)

米・オハイオ州立大学のAndrew Gouldさんらの国際研究チームが、いて座方向3000光年彼方にある連星系の一方を回る系外惑星を発見した。

この系外惑星「OGLE-2013-BLG-0341LBb」は重さが地球の2倍で、主星からの距離は太陽から地球までとほぼ同じ1.4億kmだ。ただし主星の明るさは太陽の400分の1しかなく、そのため惑星は摂氏マイナス200度以下のとても寒い場所と推測される。

連星系の惑星はこれまでにもいくつか発見されているが、主星からの距離や質量がこれだけ地球と似た性質を持つものは初めてだ。天の川銀河に存在する恒星の半分は連星系を成していることを考えると、恒星同士がそれほど離れていない連星系にこのような惑星が見つかったことは、生命に適した地球のような惑星が宇宙に存在する確率を高めたといえる。

今回の発見は、惑星系の重力が、たまたま重なった位置に見える背景の恒星(2万光年彼方)の明るさを変化させる「重力マイクロレンズ効果」を利用したものだ。惑星の存在がレンズ像に及ぼすと考えられる効果のうち、今回初めて実際に検出された種類のものもあり、連星系における観測データの分析に今後役立つと期待される。