火星探査車「キュリオシティ」見事に着陸成功

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【2012年8月6日 NASA

6日午後2時半ごろ(日本時間)、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星に降り立った。地球との通信ができなくなる「恐怖の7分間」を乗り越え、新技術「スカイ・クレーン」を見事に成功させた快挙だ。今後約2年かけて火星生命に関する探査を行う。


キュリオシティ着陸のイメージ図

キュリオシティ着陸のイメージ図。クリックで着陸シーケンス図を表示。ミッションサイトでは動画を見ることができる。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

キュリオシティが着陸後最初に送信してきた画像

キュリオシティが着陸後最初に送信してきた画像。キュリオシティの影が見えている(提供:NASA/JPL-Caltech)

昨年11月26日に打ち上げられたNASAの探査車「キュリオシティ」が6日午後2時32分、目標である火星のゲール・クレーターに着陸した。

数分間にわたる着陸のシークエンスは至難の業だった。宇宙船「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」(MSL)から分離したキュリオシティは火星大気に突入してパラシュートで減速、その後パラシュートを切り離して噴射減速し、「スカイ・クレーン」で探査車を吊り下げて軟着陸させるという、今回初めてとなる手法が試みられた(画像1枚目の拡大図参照)。噴射や切り離しを正確な角度で行い、ぶつかったりレーダーでの地上確認に影響が出たりするのを防ぐという、高度な技術が詰め込まれている。火星の大気圏突入から着陸までの7分間は地球との通信ができない「恐怖の7分間(the Seven Minutes of Terror)」と呼ばれていたが、NASAのJohn Grunsfeldさんは「大成功の7分間(the Seven Minutes of Triumph)になりました」と喜びを語っている。

キュリオシティはレーザーやドリルなどの装置を搭載しており、地表の土や岩のサンプルを採取、分析してそのデータを地球に送る。メインの探査期間は約2年の予定で、火星の環境が微生物にとって適したものであったかどうかなどを調べる。