大型電波望遠鏡SKA、豪と南アに建設

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【2012年5月29日 SKA望遠鏡計画

大型電波望遠鏡SKA計画のアンテナ群が、オーストラリアと南アフリカの2国にまたがって建設されることが決まった。宇宙創成期やダークエネルギーなど様々な謎の解明が期待される。


SKA望遠鏡アンテナ群

SKA望遠鏡アンテナ群の完成予想図。クリックで拡大(提供:SKA Organisation/TDP/DRAO/Swinburne Astronomy Productions)

次世代の大型電波望遠鏡計画「SKA」プロジェクト機構は、同望遠鏡をオーストラリアと南アフリカにまたがって建設することを決定したと発表した。建設地選定にあたっては、人工電波が少ないことや、天候、上空の大気の性質などが考慮された。

SKAは「Square Kilometer Array」(平方キロメートルアンテナ群)の略語で、2000〜3000台のアンテナを数千kmの範囲にわたって配置する巨大な電波干渉計だ。宇宙の生命史に絡む複雑な分子輝線を探査することから、惑星系の探査、銀河進化と宇宙の構造形成、重力場での相対性理論の検証、ダークエネルギーの解明など、天文学の諸問題が解決できると期待される。

大型電波望遠鏡といえばチリのアルマ望遠鏡が初期科学観測の段階に入っているが、電波の中でも波長が短いミリ波(30〜300GHz)・サブミリ波(300GHz〜3THz)を観測するアルマに比べ、SKAは周波数100MHzから25GHzの波長の長い電波を観測する。

今後は2016〜2019年の第1段階、2018〜2023年の第2段階に分けて建設が進められ、パラボラアンテナ、低周波開口アレイアンテナ、中周波開口アレイアンテナが設置される。第1段階の観測開始は2020年、2024年には第2段階の観測が開始され、最終的な完成となる見込みだ。

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