ファンネス彗星、さらに2つの分裂核を発見

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【2011年9月9日 石垣島天文台

石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡により、ファンネス彗星(213P)の分裂核が新たに2つ発見された。先月撮影された1個と合わせて3つ揃った分裂核と彗星全体をとらえた見事な画像が公開されている。


ファンネス彗星(213P)に子供が3人!(9月7日)
国立天文台石垣島天文台より

ファンネス彗星(213P)と3つの分裂核

ファンネス彗星(213P)と3つの分裂核。矢印の真ん中が先月発見されたB核。そのそばのC核(左)とD核(右)が新しく発見された。クリックで全体図拡大(提供:石垣島天文台)

7月29日に石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡を使った観測で、ファンネス彗星(彗星記号:213P、周期6.3年)()に、子供の彗星が見つかりましたが、その後の観測で、さらに2つの子供がいることがわかりました。

石垣島天文台では、9月7日にホームページの「天体画像」コーナーで、3人の子供をもつファンネス彗星の新しい画像を発表しました。新たに見つかった彗星の子供のような核は、先に見つかった子供の彗星(B核)の前後にあり、やはり同じ軌道上を移動しています。

石垣島天文台では、B核の発見後も観測を続けていましたが、その後C核とD核も見つかり、これらについても国際天文学連合へ通報しました。明るさはそれぞれ22等、21等と暗く、肉眼では見ることはできません。

B核については、8月末に国際天文学連合の天文電報中央局回報(IAU CBAT)や小惑星回報(MPEC)を通じて、石垣島天文台の花山秀和研究員、福島英雄研究技師らの観測研究グループの発見であることが発表され、今月発行の天文雑誌などでも紹介されています。

この一連の発見は、八重山諸島が好天に恵まれ、石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡の105cmの口径と星空の良さが結びついて、彗星の尾の中の微細な構造まで観測できたことによるものです。

注:「ファンネス彗星(213P/Van Ness)」 今年6月16日に近日点を通過し、秋〜冬にかけてペガスス座とうお座の境界付近の方向に20等級以下で見える。