ISSから小型衛星を放出 技術実証機を募集

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【2011年3月11日 JAXA

国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟から直接、小型衛星を軌道に放出するという技術実証ミッションが、来年9月ごろ行われる。JAXAでは小型衛星を今年4月28日まで募集している。


(小型衛星放出までの手順を示した図)

小型衛星放出までの手順。クリックで拡大(提供:JAXA)

従来はロケットで軌道上に運ばれている人工衛星を、国際宇宙ステーション(ISS)からの放出により軌道に乗せようという画期的な試みが始まった。輸送機でISSに運ばれた小型衛星を「きぼう」日本実験棟のエアロックから船外に搬出し、ロボットアームでつかんでISSの飛行と反対方向に投げるというものだ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、この技術実証ミッションを実施する2〜4機のCubeSat(キューブサット)規格衛星()を4月28日まで募集している。

「きぼう」からの放出という方法を取るメリットとしては、(1)梱包することで打ち上げ振動環境条件を緩和できる(2)必要に応じて放出直前でもISSのクルーが衛星の状態を確認することができる(3)打ち上げ機会を増やせる、といったものが挙げられる。

一方でISSへの衝突リスクや衛星のデブリ化などを防ぐため安全性に関する多くの制約があり、放出後すばやくISSから離れる軌道を取ること、地上から追跡確認できるような材質であること、宇宙飛行士が安全に取り扱えるよう鋭利な部分がないこと、などの条件が求められる。

今年5月ごろに選定された衛星は、来年2012年9月ごろを目標にISS輸送機で打ち上げられる予定だ。

注:「CubeSat規格衛星」 大学や企業などの民間機関が製作する小型衛星の規格で、縦10cm×横10cm×高さ10/20/30cmとなっている。