宇宙から見た金環日食 太陽観測衛星「ひので」が撮影

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【2011年1月7日 国立天文台

日本の太陽観測衛星「ひので」が1月4日に撮影した金環日食の画像が公開された。2012年5月には日本でも見られる現象を先取りした画像は、地上で見るのとはまた違った太陽の姿をかいま見せてくれる。


「ひので」がとらえた金環日食

「ひので」がとらえた金環日食。1月4日18時16分(日本時間)撮影。クリックで拡大(提供:JAXA/NAOJ、以下同)

「ひので」がとらえた日食

月に隠されていく太陽表面を、「ひので」の可視光・磁場望遠鏡がとらえた画像。1月4日16時47分撮影。クリックで拡大

国立天文台は、太陽観測衛星「ひので」が1月4日に撮影した金環日食の画像をウェブサイトで公開した。地上ではヨーロッパ・西アジア・北アフリカ一帯で部分日食が見られたこの日、地球を周回する「ひので」が北極の680km上空でとらえたものだ。

画像1枚目は「ひので」のX線望遠鏡による画像を着色したもので、太陽の輪郭の周りには「コロナ」と呼ばれる大気層が見える。コロナといえば、月が太陽全体を隠す「皆既日食」の時に美しく輝く様子がおなじみだが、「金環日食」では、月の見かけの大きさが小さいために隠しきれない太陽周縁部分の光に邪魔されて見えない。だが、それは人間の目で見たときの話。X線望遠鏡はコロナの高温プラズマを撮影するのに適しているため、この画像のように金環日食でもコロナの姿をしっかりとらえることができるのだ。

2枚目は、同じく「ひので」の可視光・磁場望遠鏡による画像で、太陽表面の磁場の微細構造をとらえている。目をこらせば、月の輪郭の微妙な凹凸も見えてくるかもしれない。

2006年に打ち上げられた「ひので」は日本の3つ目の太陽観測衛星だ。98分周期で地球を周回しながら太陽の大気層の磁場などを観測し、太陽の活動のしくみを解明するのに大きく貢献している。

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