スウィフト、500個目のガンマ線バーストを検出

【2010年4月26日 NASA

2004年11月に打ち上げられたNASAのガンマ線観測衛星「スウィフト」が、4月13日に500個目のガンマ線バーストの検出を達成した。これまでにとらえた500個の中には、131億光年のかなたで起こったものや、ブラックホール(または中性子星)同士の衝突で発生したと思われる持続時間のひじょうに短いガンマ線バーストも含まれている。


(スウィフトが検出した500個のガンマ線バーストの位置を示した画像)

スウィフトが検出した500個のガンマ線バーストの位置を示した画像。クリックで拡大(提供:NASA)

ガンマ線観測衛星スウィフトは、2004年11月の打ち上げ以降、これまで5年にわたり観測を続けてきた。その観測の対象は、わたしたちに比較的近い宇宙で起こる超新星爆発から、宇宙が現在の年齢のたった5パーセントだったころの遠く離れた宇宙で発生したガンマ線バーストと幅広い。ガンマ線バースト(GRB)とは、宇宙のある1点から突然、強力なガンマ線がひじょうに短い時間だけ飛来してくる現象である。

そのスウィフトが、4月13日にカシオペヤ座の方向に500個目となるガンマ線バースト「GRB 100413B」を検出した。GRB 100413Bは、継続時間が数秒から数分の長期型のバーストで、通常この種のバーストは大質量星の死に伴うものである。

スウィフトの運用チームの一人で、米・ペンシルバニア州立大学のDerek Fox氏は、「これは単なる数に過ぎませんが、すばらしい節目と言えます。バーストの1つ1つがパズルのピースであり、その姿が明らかになろうとしているのです」と話している。

スウィフトの主な役割は、ガンマ線バーストが発生した位置をすばやく突き止め、X線や紫外線、可視光の波長で観測を行う望遠鏡に位置情報を発信し、できるだけ早く観測を行えるようにすることである。スウィフトはそのほかにも、紫外線で星の爆発を調べたり、大量の高エネルギー放射を伴うブラックホールや中性子星などを観測したり、X線による長期間の全天サーベイを行ったりしている。

1967年に初めてガンマ線バーストが発見されて以来、これまでにGRBは6000個ほど記録されているが、そのうち距離が計測されたGRBに占めるスウィフトの検出割合は75パーセントにもなる。また、スウィフトが検出してきたGRBは、1億光年という比較的近くで発生したものから最大で130億年という遠い距離で発生したものまである。それを時間的なスパンに直せば、宇宙の全歴史における約95パーセントの範囲で起こったバーストをとらえてきたことになる。

なお、これまでにスウィフトが検出した主なガンマ線バーストについては、以下の関連ニュースを参照のこと。