天の川銀河内の球状星団、4分の1がよそ者だった

【2010年2月26日 RAS

わたしたちの天の川銀河内に存在する球状星団の4分の1が、もとは別の銀河からやってきたとする研究成果が発表された。


ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M80の画像

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)がとらえた球状星団M80。クリックで拡大(提供:NASA / The Hubble Heritage Team / STScI / AURA)

球状星団とは、1万から数百万個もの星の集まりだ。天の川銀河内には、これまでに150個ほどが知られているが、その中のいくつかは、天の川銀河の外からやってきたのではないかと疑われていた。

豪・スインバーン工科大学の天文学者Duncan Forbes氏らは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)を使って天の川銀河内の球状星団を観測し、各球状星団の年齢や化学組成の特徴などに関する過去最大のデータベースを作成した。

その結果、天の川銀河に存在する球状星団のうち、約4分の1が天の川銀河の外からやってきたらしいということが示された。さらに同研究から、天の川銀河がこれまでに飲み込んだ矮小銀河の数も、これまで考えられてきた以上に多いことも示唆された。

Forbes氏は、「今、わたしたちが夜空にながめている多くの星や球状星団の故郷は天の川銀河ではないのです。ほかの銀河から、数十億年もの歳月をかけてわたしたちの銀河にやってきたのです」と話している。

「わたしたちの研究は、天の川銀河に融合した矮小銀河が、もっとあることを示唆しています。これまでに確認された、そのような矮小銀河は2つ。わたしたちはあと6つほどあると考えています。矮小銀河が崩壊して、星が天の川銀河に同化しても、矮小銀河に存在していた球状星団は無傷で、融合プロセスを乗り越えて生き残っています。もっと詳しく調べる必要がありますが、とにかく天の川銀河の歴史に関する理解が進むかもしれません。実にエキサイティングです」