「はやぶさ」の旅が全天周CG映画に

【2009年4月28日 アストロアーツ】

旧宇宙科学研究所の惑星探査機「はやぶさ」による小惑星サンプルリターンミッションが、全天周CGの番組「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」となって大阪の大阪市立科学館と茨城県の日立シビックセンターで公開されている。


(「HAYABUSA  -BACK TO THE EARTH-」の映像)

「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」の映像。クリックで拡大(提供:「はやぶさ」大型映像制作委員会)

この作品は、全編フルCGで作成されている。プラネタリウムのドームいっぱいに宇宙が広がり、「はやぶさ」の旅を体感できる内容だ。

「はやぶさ」は、2003年に旧宇宙科学研究所(現JAXA=宇宙航空研究開発機構)が打ち上げた宇宙探査機で、小惑星「イトカワ」に着陸、試料を採取して地球まで持って帰ろうという野心的なプロジェクトだ。数々のトラブルを乗り切って2005年11月に「イトカワ」に着陸、現在地球へ向けての帰還コースを航行中だ。地球に到着するのは来年2010年6月の予定となっている。

番組では、人物は一切登場しない代わりに、「はやぶさ」が旅をした宇宙空間が美しく再現されている。

科学映像作品というと「説明的」な映像と思われるかもしれないが、この作品は擬人化した「HAYABUSA」を通じて「宇宙の中の私たちの存在」を考えさせる物語へと仕上がっている。将来の技術大国を担う子供たちはもちろん、毎日の暮らしの中に埋没しそうな大人たちまで、この「はやぶさ」を見て宇宙に浸ることで、宇宙と人間という存在について、改めて考えてみてはいかがだろうか。

なお、6月6日からは、東京の府中郷土の森博物館でも上映が開始される。

《HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-》

■ 企画/制作:
「はやぶさ」大型映像制作委員会、財団法人 大阪科学振興協会、宇宙航空研究開発機構、有限会社 ライブ、株式会社 リブラ
■ 監督:
上坂浩光
■ ナレーター:
篠田三郎
■ 音楽:
酒井義久
■ CG:
ライブ
■ ウェブサイト:
http://hayabusa-movie.jp/