ハッブル宇宙望遠鏡、系外惑星を初めて撮影

【2008年11月14日 HubbleSiteESA

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が、太陽系以外の惑星を可視光で撮影することに初めて成功した。この系外惑星は、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトのまわりを回っており、質量は木星の3倍以下と計算された。


(フォーマルハウトのちりのリングと系外惑星の画像)

HSTがとらえたフォーマルハウトのちりのリングと系外惑星。右下が四角部分の拡大画像で、2004年と2006年の観測結果を重ね合わせたもの。クリックで拡大(提供:NASA, ESA and P. Kalas (University of California, Berkeley, USA))

(フォーマルハウトと系外惑星の想像図)

フォーマルハウトと系外惑星の想像図。クリックで拡大(提供:ESA, NASA, and L. Calcada (ESO for STScI))

1980年代の初め、太陽から25光年の近傍に位置する恒星フォーマルハウトのまわりに、大量のちりが存在することがわかった。以来、フォーマルハウトに系外惑星が存在するのではないかと考えられてきた。

米・カリフォルニア大学バークレー校のPaul Kalas氏が率いたチームは、2004年に初めてHSTを使って、フォーマルハウトを観測した。その結果、ちりがリング状に集まっているのが見つかった。リングの直径は約345億kmで、内側の縁がくっきりしていた。また、同チームが撮影した画像には、惑星と思われる明るい光源が複数とらえられた。

フォーマルハウトのリングは、太陽系の外縁に氷状の小天体が集まっているエッジワース・カイパーベルトに似ている。それらの物質は、もともと今より太陽に近い場所で形成され、その後、海王星の重力の影響ではじき出されたと考えられている。

研究チームでは、海王星がエッジワース・カイパーベルトに影響を及ぼしたように、惑星がフォーマルハウトを取り巻くちりを外側にはじき出し、縁がはっきりしたリング状になったのではないかと考えた。

2006年に再びHSTで観測したところ、2004年に見つかっていた光源の1つが移動していたことがわかった。これこそ、チームが探していた惑星であった。

太陽系以外の惑星が可視光で観測されたのは、初めてである。

この惑星は、海王星・太陽間の約4倍にあたる、中心星のフォーマルハウトから約170億kmのところを872年ほどかけて公転していることがわかった。また、質量は、木星の3倍以下と計算されている。質量の上限は、リングの外観から導き出された。これ以上質量が大きいと、リングそのものが破壊されてしまうのである。

質量が木星の3倍ほどであるわりには、予想以上の明るさであることから、土星のように環をもっている可能性が指摘されている。

この系外惑星は近い将来、赤外線で観測される予定だ。惑星の大気中に、水蒸気が存在しているかを探るのがその目的である。その観測から、惑星の進化について重要な情報が得られることが期待されている。

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