ガリレオ望遠鏡の精密レプリカ、科学館向けに発売へ

【2008年10月15日 アストロアーツ】

世界天文年2009の企画の一環として、1609年にガリレオが天体観測に用いた望遠鏡を精密に復元したレプリカが販売される。レプリカ望遠鏡は全国の科学館などで展示されるとともに、観望会で多くの人にガリレオの観測と発見を追体験させることを目指す。


(レプリカ望遠鏡)

ガリレオの望遠鏡レプリカ。上の鏡筒が大、下が小。販売されるのは鏡筒のみで台座はつかない。クリックで拡大

ガリレオ・ガリレイは1609年末に望遠鏡を自作し、それを世界で初めて空へ向けた。やがて彼は月にクレーターがあること、天の川が無数の星でできていること、木星のまわりを衛星が回っていることなどを次々と発見。これらの発見は人類の宇宙観を大きく変えるとともに、望遠鏡による天文学発展の時代の幕開けとなった。

人類初の望遠鏡による天体観測から400年目となるのを記念して、国際連合、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、国際天文学連合は2009年を「世界天文年」と定めた。国内でも日本学術会議や国立天文台などを中心とした日本委員会がさまざまな企画を進めている。そのひとつが、「ガリレオ望遠鏡復元プロジェクト」だ。

このプロジェクトでは、ガリレオが作成し現在はイタリアのフローレンス科学史研究博物館に所蔵されている2本の望遠鏡を復元。外見は細部までこだわり、装飾や古色も再現する。また、一方の望遠鏡には実物どおりのレンズも取り付けられ、ガリレオがのぞいたときと同じ視野が得られる。

レプリカは全部で30組制作され、全国の博物館や科学館などへ販売する。望遠鏡は2009年の目玉展示となるだけでなく、観望会を実施して来館者にガリレオの驚きや発見を追体験させることにもつながると期待される。

2本の望遠鏡は2009年3月にアストロアーツオンラインショップで発売予定となっている。販売予定価格は以下のとおり。

「ガリレオ望遠鏡(大)」
全長1,360mm、チューブ直径40mm、ホルダー直径54mm
177,000円(税込)
「ガリレオ望遠鏡(小)」
全長980mm、チューブ直径40mm、ホルダー直径59mm
174,000円(税込)
「ガリレオ望遠鏡セット(大と小のセット)」
329,000円(税込)
※単品・セットともに鏡筒のみの販売で台座や三脚はつかない