へびつかい座にもうひとつ新星らしき天体が出現

【2008年6月3日 VSOLJニュース(197)】

福岡県の西山浩一さんと佐賀県の椛島冨士夫さんのお二人のグループが、5月31日に、へびつかい座に新星らしい天体を発見された。西山さんと椛島さんは5月25日にもへびつかい座に新星を発見されており、1週間のあいだに2個、へびつかい座に新星(らしい天体)を発見されたことになる。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

5月27日付けのVSOLJニュース 196で、へびつかい座での新星出現をお知らせしましたが、それに引き続いてふたたびへびつかい座で、新星らしき天体が発見されました。発見したのはまたもや福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのお二人のグループで、たて続けの発見になります。

新天体は、5月31.608日(世界時、以下同様)に撮影された画像で発見されました。その位置は以下のとおりです。

  赤経  17時33分29.61秒
  赤緯 -27度01分14.5秒 (2000年分点)
  新星周辺の星図

天体の明るさは、フィルターなしのCCDやRバンドでの画像では11.5等ほど(発見後3日間はあまり変化なし)ですが、6月2.23日に観測された、より波長の短いVバンドでは12.8等、Bバンドでは13.9等と、かなり赤く見える天体です。過去の全天画像ではここには20等より明るい天体はありませんでしたので、8等以上明るくなったという振幅の大きさから、新星である可能性は高いと思われ、その色からかなりの星間吸収を受けているものと推定されます。今後のスペクトル観測、明るさの変化が楽しみです。


へびつかい座の新星らしい天体の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

<参照>

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