火星探査車オポチュニティー、クレーター内部の探査を開始

【2007年10月2日 NASA JPL

NASAの無人火星探査車「オポチュニティー」が、ビクトリア・クレーター内部の難しい走行をこなし、無事に探査のターゲットとなる最初の地層の前へ到着した。


(ビクトリア・クレーターの斜面)

オポチュニティーの前方に搭載されたカメラからの画像。ビクトリア・クレーターの斜面が広がる。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

オポチュニティーは、9月11日から直径約800メートルのクレーター内部に入り込み、古い年代の地表が露出している地点を目指して、斜面の下降という難しい走行を約2週間行ってきた。

そして、無事に調査対象となる最初の岩が位置する地点へたどりついた。現在、オポチュニティーのロボットアームの先には、数百万年前は地表だったと考えられる地層が位置している。

オポチュニティーの姿勢は現在25度ほど傾いているため、安全性の確認が行われた後、今週後半に探査が開始されることになっている。

探査車の科学機器主任研究員であるコーネル大学のSteve Squyres氏は、「深さが異なるいくつかの場所でサンプルを採取し、クレーターの形成プロセスとあの特徴的な形がどのようにしてつくられたのかを明らかにしたいと考えています」と話している。

なお、スピリットは、火山噴火の証拠が発見された「ホームプレート」と呼ばれる場所で、探査を行っている。